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『神と共に 第二章:因と縁』あらすじと感想【父親への罪悪感を千年間抱き続けたカンニム】

神と共に 第2章
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『神と共に 第二章:因と縁』のあらすじと感想を書きました。

参考にしていただけると幸いです。

あらすじの前に、本編で注目して欲しいポイントを記します。

それは、冥界の3使者(カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン)のうち、カンニムだけ生前の記憶があることです。

閻魔大王が、カンニムだけに生前の記憶を残した理由を考えてもらいたいのですが、ヒントは、前作(第1章)にあります。

亡者のジャホンは「どんな罰でも受けるから、ろう者の母親に謝りたい」と閻魔大王の前で泣きました。

ジャホンを弁護した使者・カンニムもまた、生前から罪悪感を抱え続けていたことが、第2章で明らかになります。

しかも、千年の間。

閻魔大王は、カンニムに、その罪悪感と向き合わせるために生前の記憶を残したのでした。

では、カンニムは誰に、どんな非道な行いをしたのでしょうか?

その人物と閻魔大王との関係性は?

本編を視聴すると、その疑問は氷解し、カンニムに前世の記憶が残された理由が分かります。

そして、前作(第1章)に対する印象が変わりました。

ジャホンの罪悪感だけでなく、カンニムのそれに思いを馳せるようになったのです。

どんな思いで、カンニムは、ジャホンを生まれ変わらせようとしたのだろう……。

閻魔大王は、千年の間、どんな気持ちでカンニムの弁論を聞き続けていたのか……。

本記事は、ネタバレを避けているため要領を得ない書き方になっています。

ぜひ、本編を視聴して頂きたいです。

ちなみに、3使者の目的は千年以内に、49人の亡者を人間界に転生させることでした。

それを完遂すれば、3使者も下界に転生できます。

前作で、48人目(ジャホン)の転生に成功しました。

今作では、49人目(ジャホンの弟・スホン)の転生を試みます。

以下、あらすじになります。

『神と共に 第一章:罪と罰』あらすじと感想【ろう者の母親に抱き続けたジャホンの罪悪感】】

『神と共に 第二章:因と縁』あらすじ

亡者のスホンを人間界に転生させたいカンニム

冥界の天倫地獄。

カンニム(ハ・ジョンウ)が砂塵の中、閻魔大王(イ・ジョンジェ)の前に進み出た。

カンニムに従えるように後ろで立っているのは、2人の使者と亡者だ。

ヘウォンメク(チュ・ジフン)とドクチュン(キム・ヒャンギ)、ジャホンの弟スホン(キム・ドンウク)である。

カンニムが、スホンを転生させるべく裁判を行うよう進言した。

閻魔大王は無言で、手をかざした。

カンニムの剣が吸い込まれていく。

守るべき冥界に向けた罪……。

閻魔大王が、剣を眺めながら呟いた。

すぐさま、カンニムを裁くべきだと声を荒らげる。

カンニムは、とっさに両膝をついた。

全ての罰は使者が受けます。

カンニムの言葉に、ヘウォンメクが困惑したように眉を下げた。

ドクチュンが、両手をついて頭を下げる。彼女も、スホンの裁判を望んだ。

閻魔大王は、スホンの死因が事故死でないことを明らかにするよう命じた。

続けて、それが出来なかった場合には何を懸けるか? と問う。

使者の肩書。カンニムが言った。

甲高い悲鳴が、あがる。

ヘウォンメクが地面に突っ伏した。

ドクチュンは力強い口調で、カンニムに従った。

ヘウォンメクが、釈然としない顔つきで同意する。

閻魔大王は、裁判の条件をつけた。

その条件とは、怨霊が裁判を受ける49日間に、亡者のホ・チュンサムを下界から連れてくることだった。

カンニムは、ある老人を思い浮かべた。

冥界の使者を視認できた男である。

その老人こそが、ホ・チュンサムであった。

すでにチュンサムは寿命が尽きている。

だが、成主(ソンジュ)神が彼を下界に、とどめさせていた。

ソンジュは、チュンサム宅の壺に、屋敷神として奉斎されていた。

幾人もの使者たちが、チュンサムを冥界に連れ去ろうとした。

だが、ソンジュに追い払われている。

彼は、現身(ヒョンシン)によって下界に留まり、寿命の尽きたチュンサムを守っていた。

49日以内に、ホ・チュンサムを冥界に

ヘウォンメクとドクチュンが、下界に降り立つ。

2人は、解体現場のソンジュ(マ・ドンソク)と少年を眺めた。

ソンジュが、落書きで汚れた外壁にスプレー缶を吹き付ける。

傍らの少年・ヒョンドンが、感嘆の声をあげた。

外壁には、彼らが住む街の空撮イラストが広がっている。

ソンジュは、かつて高麗王に御用絵師として召し抱えられていた。

2人を遠巻きに見つめながら、ドクチュンが口を開いた。

おじいさん(ホ・チュンサム)を連れていったら、どうなるのか。

ソンジュ神が立ちはだかる 

ヘウォンメクとドクチュンは、ホ・チュンサムの寝室に姿を見せた。

チュンサムは寝息を立てている。

ヘウォンメクは、ドクチュンに、チュンサムの名前を三唱するよう促した。

そして、ソンジュの壺を探す。

壺は押し入れにあった。

永眠してくださいソンジュさん。

ヘウォンメクは、おどけるように頭を下げて壺中の液体を飲み干した。

ドクチュンの三唱が聞こえてこない。

苛立たし気に振り返る。

硬直した。

ドクチュンが、ソンジュに首を絞められ苦悶の表情を浮かべている。

これを割れば、お前は終わりだ。

ヘウォンメクは、壺を眼前に差し出した。

ヒョンドンの尿瓶だ。ソンジュが表情を変えずに言う。

ヘウォンメクは、尿瓶をすぐさま落とした。

怯みながら、ドクチュンを離せと声を荒らげる。

ソンジュが、眉を潜める。

失礼な奴だな、俺に見覚えはないのか?

ドクチュンのうめき声が大きくなった。

ヘウォンメクが、飛び掛かる。

小競り合いの物音で、ヒョンドンが起き出した。

ソンジュが下界に現れた理由

居間に移動した。

ドクチュンが、謝罪の言葉を口にする。

ヘウォンメクは、正座になっていた。

ソンジュが、失礼だぞと憤る。

彼は、千年前に、ヘウォンメクとドクチュンが冥界に旅立った時の使者だったと打ち明けた。

ヘウォンメクたちは、戸惑った。

ソンジュは、記憶がない2人を哀れんだ。

そして、縁側を指差す。

掃き出し窓が開け放たれていた。

明け方の庭に木製のベンチがある。ヒョンドンが寝転がっていた。

ソンジュは、下界に現れた理由を打ち明けた。

ホ・チュンサムに、ヒョンドンの入学式を見届けさせたいという。

チュンサムを冥界に連れて行くなら、カンニムを呼べという。

ソンジュに、寿命札を奪われてしまった。

ヘウォンメクが、ドクチュンに視線を投げ頷いた。

彼らは、冥界に戻った。カンニムに、ソンジュの目的を教える。

カンニムは、ソンジュの壺を割り寿命札を取り返してこいと凄んだ。

ヘウォンメク「前世の記憶を戻してくれ」

ヘウォンメクとドクチュンは、再び、ホ・チュンサム宅に戻った。

数人の借金取りが、押しかけていた。

ソンジュが、庭先で対応する。

彼は、人を守る屋敷神であった。

借金取りを力づくで追い払えない。

ソンジュは、掘っ建てのトイレに突き飛ばされた。

人糞に手を触れ、脱力していく。

借金取りが軒先に押しかけ、チュンサムとヒョンドンを囲む。

ソンジュの顔が苦渋に満ちていった。

ヘウォンメクとドクチュンが、彼の正面にしゃがみ込んだ。

ドクチュンは、ヒョンドンが一人で生きていけるようにサポートしますと言った。

ヘウォンメクが、だから記憶を戻してくれと取引を持ちかける。

ソンジュは、顔をしかめた。

おじいちゃん!

ヒョンドンの叫び声が聞こえた。

チュンサムが地面に押し倒されている。

屋敷神は人に手を出せないだろう? 

ヘウォンメクは、取引を急かした。

ソンジュは顔をしかめて、人糞まみれの右手を差し出す。

ヘウォンメクは、眉を上げて取引成立と呟いた。

つかつかと借金取りの元へ歩み寄る。

ヘウォンメクの前世

ソンジュが、ホ・チュンサムを居間の布団に横たわらせた。

ヘウォンメクが、彼に自分の前世を聞く。

ヘウォンメクは、千年前の高麗時代、武将であった。

敵対する女真族に、【白い山猫】と恐れられていたという。

異名の由来は、山猫の毛で作られた首巻きにあった。

ヘウォンメクは、目を見開いたまま首元に手を当てる。嬉しそうに笑い声を立てた。

そんな彼を、ドクチュンが苦笑いで見つめる。

スホンが生まれ変わりを拒否

カンニムとスホンが、徒歩で怠惰地獄に向かっていた。

スホンは、兄・ジャホンの仕送りで司法試験に、挑戦していた。

8回落ち続けている。

カンニムが、スホンを蔑みつつも生まれ変わりは可能だと呟く。

スホンは、生き返ることを拒否した。

ヒョンドンの行く末を案じるソンジュ

ホ・チュンサムとヒョンドンが寝床に入った。

ヘウォンメクが、ソンジュに現身(ヒョンシン)した訳を尋ねる。

ヒョンドンの母は、息子を産んですぐに亡くなっていた。

父親はギャンブルの借金取りからフィリピンに逃げている。

ドクチュンが、だから現身したんですねと頷いた。

ソンジュが、彼女の目を見て話を続ける。

現身をするつもりはなかった。

じいさんが寿命が尽きる頃に、再開発の業者に立ち退きを迫られた。

ヤクザまがいの彼らが家に押しかけてきて、ヒョンドンが寝込んでしまう。

咳き込むヒョンドンの傍らに、ソンジュの壺があった……。

続けて、ソンジュは、立ち退き料の大部分を投資で溶かしたことを白状する。

消費者金融からの借金もあった。

ヘウォンメクが、損失の穴埋めに借金をするなんて……と呆れる。

彼は、ヒョンドンを養護施設に入れるよう提案した。

翌朝、ヘウォンメクたちは養護施設に向かった。

ヘウォンメクとドクチュンが施設長の女性と向き合う。

離れたソファから、ソンジュとヒョンドンが見守っていた。

施設長は、父親が養育放棄をすれば、ヒョンドンを施設に入れられると説明した。

父親はフィリピンに逃げているんだ。

ヘウォンメクが、テーブルを叩く。

彼の怒鳴り声に、施設長の肩がビクッと動いた。

ヘウォンメクとソンジュは、諦め顔で腰を浮かした。

施設長は、父親が扶養できないことが分かる書類を持ってくるよう促した。

どこで? 戸惑う2人。

施設長は、本人から受け取って下さいと笑いかけた。

2人は、肩を落として立ち上がった。

施設長が、同居人のホ・チュンサムが高齢であることに着目する。

生活保護を提案した。

ヘウォンメクとドクチュンの過酷な前世

父親を探すか、生活保護を受けるか。

養護施設の庭で、ヘウォンメクが悩んだ。

ソンジュは、庭を眺めている。視線の先に、ドクチュンがいた。

彼女は、施設の子供に囲まれて笑みを浮かべている。

ソンジュは、千年前に、高麗の騎兵隊に襲われたことをドクチュンに語った。

ドクチュンは、女真族で孤児の希望であった。

彼女は、小さな子供を山奥に避難させた。

18歳で亡くなるまで、3年間、母親代わりとなっている。

ドクチュンは、呆然とソンジュの話に耳を傾けていた。

カンニムの父親と血の繋がりがない弟

カンニムとスホンが、うそ地獄に到達した。

カンニムは、時期が来たら、スホンの無念の死の訳を明かすと言った。

スホンが、カンニムに従った場合の見返りを聞く。

カンニムは、来世への転生と返した。

スホンが、死の真相かカンニムの正体を教えてくれと詰め寄る。

彼は、転生は嫌だと叫んだ。

カンニムが、観念したように腰を落とす。

自分の生い立ちを語り始めた。

父親の名前は、カン・ムンジク。

高麗の女真征伐隊長で、契丹戦争の総司令官であった。

カンニムは、契丹戦争を回想する。

いずれ、自分も後を継いで高麗の大将軍になることを夢見ていた。

契丹軍を降伏させた。ムンジクは、必要以上の殺生を禁じ尊敬を集める。

そんな父に、カンニムは嫌悪感を抱いていた。

さらに、ムンジクは、契丹族の孤児を養子にする。

弟は、ムンジクに剣術を教わり、急速に腕を上げていった。

カンニムは、彼と剣術の訓練をした。

反撃してこない弟に苛立ちを隠せない。

弟が、ムンジクの教えを言い放った。

『大将軍の徳目や資質は、勝ちたいあまりに自分の戦略に固執せずに敵の戦略を読むことだ』

回想を終えたカンニムに、スホンが聞いた。

弟に殺されたんだろう?

カンニムは、質問に応えず、地獄鬼に気を付けろと注意を促した。

千年前のヘウォンメクとドクチュン

ヘウォンメクが、ソンジュに、ドクチュンと出会った場所を聞いた。

ソンジュは、高麗時代を回想する。

ヘウォンメクは、虎に襲われかけていた女真族のドクチュンを助けた。

彼らは、ドクチュンから隠れ家の場所を聞きだす。

ヘウォンメクは、隠れ家を探し当てた。

泣きじゃくる子供しかいない。

ドクチュンは、軒先で、後ろ手に縛られ猿ぐつわを嚙まされていた。

手下が、女真族の残党は一掃するべきだと耳打ちする。

ヘウォンメクは、刃物を取り出した。隠れ家に足を踏み入れる。

猿ぐつわのドクチュンが、呻きながら首を横に振った……。

前世の記憶を聞き終えたドクチュンは、涙を流した。

ゆっくりとヘウォンメクに視線を向ける。

果たして、前世のヘウォンメクが取った行動とは?

カンニムは、血の繋がらない弟に殺されてしまったのか?

続きが気になった方は、本編でどうぞ。

『神と共に 第二章:因と縁』感想【謝罪できることは幸せなこと】

第1章では、亡者となってしまったために、ろう者の母親に謝罪できないジャホンの苦しみが描かれました。

今作の第2章でも、カンニムが、ある人物に謝罪したい気持ちを持ち続けていたことが明らかになっています。

2作の共通テーマは、【謝罪したいのにできない苦しみ】と言えるでしょう(個人的な見解です)。

同時に、【謝罪できることは幸せである】というメッセージも感じました。

そのメッセージを感じたシーンが、2つあります。

一つ目は、冥界で、スホンが自分を殺した2人の犯人と対峙したシーンです。

スホンの弁護人カンニムは、犯人に、被害者に対して謝罪をするなら今のうちだと諭しました。

カンニムは、謝罪したいのにできない苦しみをを抱えています。

だからこそ、謝罪できることがいかに幸せなことか痛感しているに違いありません。

二つ目のシーンは、エンディングです。

ヘウォンメクとドクチュンは、生前にカンニムから受けた残酷な仕打ちを思い出し心を閉ざしたかに見えました。

カンニムは、そんな2人に、贖罪めいた行動を取ります。志半ばで消滅してしまったソジュン神の遺志を尊重しました。

ヘウォンメクとドクチュンは、再び、カンニムと行動を共にします。

【謝罪できることは幸せである】というメッセージを感じました。

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