『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』あらすじと感想【インフィニティ・ストーンを巡る攻防戦】
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのあらすじと感想になります。参考にして頂けると幸いです。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』あらすじ
少年ピーター、異星人(ヨンドゥ)に連れ去られる
1988年の地球。夜が更けていた。病室の前で、少年のピーター・ジェイソン・クイルがウォークマンを聴いている。
親族が深刻な顔つきで、彼を病室に招き入れた。病床の母親が、やつれた手を伸ばす。ピーターは顔を背けた。母親は息絶える。
彼の顔が歪んだ。病院を飛び出す。足がもつれ、両手を地面についた。上空から、サーチライトが照射される。ピーターの身体が浮き上がっていった。
サノス一味(ロナンの手下)に追われる
26年後。廃墟の惑星モラグ。ピーター (クリス・プラット)が、野球ボール大の石(オーブ)を手に入れた。
サノスの一味(ロナンの手下)が立ちはだかる。銃撃を受けた。小型宇宙船・ミラノ号に乗り込み、モラグを飛び立った。
オーブの買い取りを拒否される
ピーターは、ザンダー星に戻った。ブローカーを訪ねる。オーブを取り出し、ロナンの子分に襲われたことを打ち明ける。ブローカーの顔色が変わった。
店外へと、押し出される。ロナンの正体を聞いた。
「平和条約に激高し、ザンダー星人と、その文明の抹殺に執念を燃やす男。怒りを買いたくない」
ロナンの仲間と勘違いされる
ピーターの眼前で、シャッターがピシャリと閉じる。
「揉め事?」
声の主は、緑色の肌をした改造人間、ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)である。彼女は、ピーターのオーブを奪い走り去った。追いかけるピーター。
枯れ木のような生命体グルート(ヴィン・ディーゼル)や、外見がアライグマに近いロケット(ブラッドリー・クーパー)が、姿を見せた。
ピーターは、賞金首で多額の懸賞金がついている。騒ぎを聞きつけた、ノバ軍に囲まれた。四人は傷害と器物損害の容疑で、拘束される。ノバ軍は、ロナンに基地を破壊されており、彼を敵視していた。ピーターたちは、ロナンの仲間と誤解されたままキルン刑務所に収容される。
ガモーラの正体
キルン刑務所。ピーターたち四人は、両手を手錠にはめられていた。ピーターがオーブの正体を聞く。
「コソ泥には教えたくない」ガモーラが返す。
「虐殺野郎のしもべが、よく言うぜ」
ロケットの言葉にガモーラが眉を吊り上げた。
「ロナンを裏切って、オーブを第三者に売る気だった」ガモーラは、侵略者・サノスの養女であった。
ピーターたちは、囚人服に着替えさせられ収容スペースに足を踏み入れる。数十人の囚人たちに囲まれた。
人殺し! ガモーラに罵声が降りかかる。ピーターが表情を曇らせた。
「過去に比べれば天国よ」ガモーラは、ピーターに微笑みかけた。
ガモーラを恨む男
監房で、就寝中のピーターが物音に気づいた。廊下を数人の人影が横切っていく。ガモーラの不安げな横顔を発見する。
ピーターは、忍び足で尾行した。ロケットがむくりと起き上がり、彼に続く。
通路の角で足を止めた。ピーターが壁越しに覗き込む。通路の奥まったスペースで、数人の人影がガモーラに詰め寄っていた。
「ロナンは俺の妻と娘を殺した。その女は、俺が殺す」
ドラックス(デイヴ・バウティスタ)が、ガモーラに凄んだ。両隣の受刑者も恨めし気に彼女を見据える。ガモーラが、中腰で彼らの武器を奪った。
ドラックスの首にナイフを突きつける。彼は無表情でガモーラを見下ろしていた。ガモーラが目を細める。
「私はロナンとサノスの身内ではない、自分ならロナンを殺せる」
ドラックスが彼女の首に手をかけた。ピーターが恐る恐る歩み出る。
「ガモーラを殺しても、ロナンは死なない」
ドラックスが肩越しにピーターを睨んだ。彼はガモーラを解放し立ち去った。
キルン刑務所を脱獄
ガモーラが、なぜ助けたのかと問う。ピーターは「オーブの買い手へ案内する。ロケットは脱獄の達人だ」と返した。彼は視線を落とした。ガモーラも見下ろす。
ロケットが、上目遣いで歯を剥きだした。
「ピーターをヨンドゥに渡して懸賞金を頂く」
ガモーラがピーターに視線を戻す。
「オーブの売った金で自由になれる。利益は山分けよ」
ピーター、ガモーラ、ロケット、グルートは看守から武器を奪った。キルン刑務所の監房は、監視塔を輪形に囲んでいる。監視塔に侵入した。
「ロナンを殺させてくれ」ドラックスが、ついてきた。
ガモーラが拒否感を示すが、ドラックスは意に介さない。ロケットが人工重力のスイッチを切る。看守や受刑者たちが宙に舞った。監視塔を飛び出し、私物とオーブを取り戻す。ミラノ号で脱出した。
惑星ノーウェアへ
ミラノ号は、惑星ノーウェアに到着した。
「ここは無法地帯で、銀河の闇市場」ガモーラが雑踏の中を歩きながら口を開く。一行は盛り場で、オーブの買い手の代理人を待つ。ガモーラが身の上話を始めた。
彼女は、サノスに両親を殺され養女にされている。そして、兵器として育てられた。ある日、サノスとロナンによる取引で、ザンダー星が滅ぼされることを耳にした……。ピーターも、地球を去った日に母が死んだと打ち明ける。
彼は、ウォークマンのヘッドフォンをガモーラの耳にあてた。ピーターの母が好んだ曲は、ケニー・ロギンスのフットルースであった。ガモーラは破顔したが、瞬時に表情を硬くする。
「私は騙されないわ。あんたの腰振り戦術に!」
「そうじゃない」ピーターが、諭すように否定した。突然、ドラックスとロケットが喧嘩を始めた。ピーターとガモーラが制止に入る。
ドラックスが「この害獣が根も葉もないことを!無礼だぞ」と吐き捨てる。ロケットが銃口をドラックスに向けた。
「笑いものにしたいんだろ。俺は、こんな姿に改造してくれと頼んでいない。こんな……化け物に」
ピーターが、ロケットの前に立ちはだかった。
「誰も言っていない。早まるな!あと、一晩我慢すれば、大金持ちだぞ」
ロケットは、目を伏せて武器を下ろした。買い手の代理人・カリーナが、現れた。
オーブの正体が判明
ピーターたちは、コレクターのタニリーア・テイヴァン(ベニチオ・デル・トロ)の自宅へと案内された。ガモーラが、テイヴァンにオーブを渡す。
彼は、オーブを機械で開けようと試みた。そして、オーブの正体を明らかにする。
宇宙の誕生前に存在していた六つの特異点が大爆発を起こしたという。宇宙が生まれ、特異点は結晶化した。それは、【無限の石(インフィニティ・ストーン)】と呼ばれた。
「この石を自由に扱えるのは、並外れた力を持つ者のみ」
テイヴァンは、そう言って右手を壁に差し向けた。スクリーン映像が照射されている。画面の中央で、巨大なロボットが仁王立ちしていた。ロボットが杖を地面に叩きつける。杖先の石が光った。
「石を操る者は全世界を、簡単に消滅させることができる」とテイヴァン。
惑星の地面が紫に変色した。ピーターが画面を凝視しながら「チビりそう」と呟く。テイヴァンが説明を続ける。
インフィニティ・ストーンは、複数の者に共有されていた時期があった。だが、持ち主たちは焼き尽くされている。
テイヴァンの眼前で、オーブが半分に割れた。インフィニティ・ストーンが紫に煌めく。ロケットが「感動したから早く金を寄越せ」と威嚇する。
テイヴァンが引き出しを開け、カリーナに目を止めた。彼女はインフィニティ・ストーンへと近づいている。
「カリーナ、下がれ」
「もう奴隷は嫌!」カリーナがインフィニティ・ストーンを掴んだ。肌が紫に変色して爆発した。ピーターとガモーラは、しゃがみ込み、グルートはロケットを抱きかかえて屋外へ走った。
テイヴァンは、呻きながら横たわっている。ガモーラは、インフィニティ・ストーンをオーブに戻した。
屋敷を出る。彼女は呆れたような表情で、オーブを見つめた。
「まさか、オーブの中にあんなものが……。ノバ軍なら保管できるかも」
「捕まる気か? ロナンにくれてやれ」ロケットが、くってかかる。
「銀河が滅ぶ」ピーターが、割って入った。
「急に善人面か? なぜ銀河を救いたがる?」
「俺は、そこの住人だ」ピーターとロケットの間に、一触即発の気配が漂い始めた。
「石をロナンに渡しては駄目。あなたの船に戻って、ノバ帝国へ」ガモーラが、ピーターを諭す。
しかし、ピーターは、金持ちに売ろうと提案した。
「最低」ガモーラは、彼に背中を向けた。硬直する。
ロナン、現る
ピーターが、ガモーラの視線を追う。
「ロナンに知らせたか?」宇宙船が着陸した。ドラックスが、宇宙船を睨みつけている。両手に武器を携えていた。ピーターとガモーラは路地裏に逃げ込んだ。ロナンとネビュラが、宇宙船から降り立つ。ロナンが「お前がメッセージを?」と聞いた。
「妻の敵! 娘の敵!」ドラックスが咆哮をあげる。上空を、ガモーラの一人乗り用ポッドが通過した。
「ガモーラがオーブを持って逃げた」ネビュラが、小型宇宙船に駆け込んだ。ピーターとロケットのポッドが、ガモーラの護衛につく。ガモーラは、宇宙空間へ飛び出したが、ネビュラの攻撃を受けてしまう。ポッドは全壊。
ガモーラは、オーブと共に宇宙空間に投げ出された。ロナンの大型宇宙船に、オーブを奪われてしまう。ガモーラは、浮遊している。眠っているかのようだ。ピーターがマスクを装着し、ポッドを飛び出す。
「バカはやめろ。ポッドに二人は乗れない」ロケットがポッドの中から声をかけた。ピーターは、慈しむようにガモーラを抱き寄せた。自身のマスクを彼女に被せる。ピーターの顔色から、生気が失われていく……。
果たして、このままピーターの命運は潰えてしまうのか。続きが気になった方は、本編でどうぞ。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』印象に残ったシーンと曲
ガモーラが、ピーターの音楽を聴かされた時の反応が印象に残りました。メロディが気に入ったとガモーラの顔が明るくなっています。
それまでのシーンが、重かった(彼女が侵略者・サノスの養女)こともあって、ガモーラの明るい表情が意外でした。曲が気になりました。ピーターによると、ケニー・ロギンスの『フットルース』とのことです。
ピーターの亡き母が好んでいた曲でした。歌詞に、ピーターとガモーラを思わせる表現がありました。
クールに振る舞う君は些細なルールに縛られているけど心の中では何かが燃えて何かを求めている。
誰かが言う。
フットルース/ケニー・ロギンス
「人生は通り過ぎたりしない」って教えてあげる。
クールに振る舞う「君」にガモーラが重なりました。些細なルールは、彼女のサノスに対する復讐心に見受けられます。誰かとは、ピーターのことだと解釈しました。
ピーターとガモーラの関係性が、『フットルース』の歌詞に触発されて考えられたように思えてなりません。特に、宇宙空間に投げ出されたガモーラを、ピーターが命を顧みず追っていくシーンを思い返しながら聴くと、そう感じます。