『フェリシーと夢のトウシューズ(2017)』のあらすじと感想【未完成のエッフェル塔や自由の女神】
『フェリシーと夢のトウシューズ』は、2016年にフランスで初公開されました。
2017年に、アメリカと日本で上映されています。
バレエダンサーとして、オペラ座で踊るという夢を叶えようと必死な主人公・フェリシーに、感情移入します。
あらすじと感想を書いたので参考にしていただけると幸いです。
フェリシーと夢のトウシューズ あらすじ
フェリシー、孤児院を脱走
19世紀末のフランス。
フェリシーは、踊ることが大好きだ。
そんな彼女に、同じ孤児院で育ったヴィクターが、パリのバレエ学校・オペラ座の写真を渡す。
オペラ座で踊ることに憧れを抱き始めるフェリシー。
彼女は、ヴィクターとともに、孤児院を脱走した。
ふたりが夜中に飛び乗った貨物列車は、パリに着いた。
ヴィクターとはぐれたフェリシーは、オペラ座の建物を目にする。
フェリシーは、守衛の目をかいくぐって、オペラ座に侵入。
チュチュを身にまとった女性がひとりで、バレエを踊っている。
オペラ座のプリマであるロジーナだ。
フェリシーが、彼女に見惚れていると、守衛に見つかり泥棒と疑われてしまう。
そこへ、掃除婦のオデットが、現れた。
「騒ぎになったら侵入された状況を聞かれる。責任を取らされるわ」
フェリシーは、解放された。
フェリシー、カミーユになりすます
フェリシーが、オデットの後をついていく。
オデットは、奉公先へ向かっていた。
女主人は、レジーヌ・ル・オー。
レジーヌには、娘・カミーユがいた。
フェリシーは、カミーユに母の形見であるオルゴールを奪われてしまう。
「拾え」
カミーユが、窓からオルゴールを投げ捨てた。
慌てて外へ出て行くフェリシー。
オルゴールの部品が散乱している。
肩を落とした。
「レジーヌ様とカミーユ様へ、オペラ座から手紙です」
郵便屋が現れた。
フェリシーは、手紙を強引に奪う。
彼女は、それを持ってカミーユになりすましバレエ学校に入学する。
フェリシー、オデットになりすましがバレてしまう
フェリシーのクラスを担当する先生は、メラントゥ。
生徒は、フェリシーを入れて、8人である。
メラントゥが、フェリシーの顔を杖で指し示した。
「〈くるみ割り人形〉のクララ役を射止めた者は、クリスマスにデビュー。ロジータと共演だ。君以外は」
一日ひとり脱落してしまう緊張感の中、練習を終えたフェリシー。
彼女は、オペラ座を掃除中のオデットと鉢合わせしてしまう。
フェリシーは、レジーヌ宅のオデットの部屋へ向かった。
「嘘は嫌いよ。私をクビにする気?」
オデットが苛立ちを露わにする。
「悪かったわ。ロジータの素晴らしいジャンプを見て、夢は叶うと思ったの」
フェリシーは、自分の気持ちをぶつけて部屋を出た。
オデットはトウシューズを取り出す。
彼女は、フェリシーに「朝5時から練習よ」と言った。
水しぶきを上げずに、水たまりに着地する練習を重ねるなど、フェリシーはバレエの技術を上達させていく。
フェリシー、レジーヌとカミーユになりすましがバレてしまう
クララ役の選考会当日を迎えた。
フェリシーは、いつものようにバレエ学校へ向かった。
メラントゥの横で、レジーヌとカミーユが待ち構えていた。
「その子を刑務所に入れて」
「私の人生、私の名誉、私の名前を盗んだの。今すぐ返して!」
フェリシーは、名前を聞かれて本名と孤児院にいたことを打ち明ける。
オデットが遅れて現れた。
レジーヌが「裏切り者。私を騙すなんてお前はクビよ」とののしる。
メラントゥは、カミーユを自身のクラスに入れて、翌日の〈くるみ割り人形〉の選考を行うことを約束した。
そして、オデットを解雇したらカミーユを入れないと続ける。
彼は、フェリシーを見下ろした。
「嘘をついて学校に入った。だが、君には大きな将来性を感じる」
続けて、オデットをいちべつする。
「指導がいいようだ。選考に残っていい。正々堂々と受かったら、君も一人前だ。もし落ちたら、学校から追い出す」
果たして、フェリシーは、くるみ割り人形〉のクララ役を射止めて、ロジータと共演できるのか?
フェリシーと夢のトウシューズ 感想/未完成のエッフェル塔や自由の女神が興味深い
エッフェル塔が建築中だったり、フェリシーと一緒に孤児院を脱走したヴィクターが、パリで自由の女神を制作しているのが、個人的に面白かったです。
アメリカの独立100周年ということで、自由の女神像がフランスからアメリカへ贈られています。
そういった物語に溶け込んでいる事実を発見する楽しみがありました。
フェリシーと夢のトウシューズ 声優・吹き替え・監督
声優
- フェリシー:エル・ファニング(土屋太鳳)
- ヴィクター:デイン・デハーン(花江夏樹)
- オデット:カーリー・レイ・ジェプセン(黒木瞳)
- レジーヌ・ル・オー:ジュリー・カーナー(夏木マリ)
- メラントゥ:テレンス・スキャメル(熊川哲也)
監督
- エリック・サマー
- エリック・ワリン
# 土屋太鳳、主人公フェリシーを熱演!
— フェリシーと夢のトウシューズ (@baretaisou_cp) July 27, 2017
ひとりぼっちのフェリシーが、この夏、バレリーナになる夢に向かって走り出す💨
19世紀のパリを舞台に繰り広げられる、笑顔と勇気の物語
フェリシーの夢を、この夏、あなたにお届けします! pic.twitter.com/nsbowOvtVN
フェリシーと夢のトウシューズ 日本語主題歌
日本語主題歌は、フェリシーの日本語吹き替え版を担当した土屋太鳳さんの『Felicies(フェリシーズ)』でした。
驚いたのは、歌だけでなく、歌詞も土屋さんが担当したことです。
彼女が書いた歌詞に〈愛という靴を履いて〉〈だけどあなたは私の背中を抱いて「ここに新しい羽がある」と囁いたの〉という表現があります。
『フェリシーと夢のトウシューズ』を観た後なので、妄想が広がりました。
愛という靴は、フェリシーがエンディングで履いたトウシューズではないか?
そのトウシューズは、オデットのものではないか?
「ここに新しい羽がある」と囁いたのも、オデットではないか?
今作に相応しい主題歌でした。