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『ミラベルと魔法だらけの家』あらすじ【持たざる者とギフテッドの苦悩】

ミラベルと魔法だらけの家
kan
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今記事は、『ミラベルと魔法だらけの家』のあらすじに、なります。

三幕構成(設定、対立、解決)のうち、設定だけ書きました。

ちなみに、三幕構成の流れは、以下になります。

【設定】
一本のローソクから始まったマドリガル家の奇跡
意思を持つ家(カシータ)が、マドリガル家に、魔法の力を授けるようになった経緯
【対立】
・家(カシータ)に亀裂が走る
・ロウソクが消えかかり、魔法の力の消滅危機。
・家の亀裂は、家族関係のヒビ
・持たざる者(マリベル)の孤立感
・失うことへの恐怖心(アルマ、ルイーサ)
・ギフテッドゆえの苦悩(ブルーノ)
【解決】・マドリガル家の人間関係と、カシータは修復されるのか
・魔法の力を、失ってしまうのか

マドリガル家に生まれた人間は、5歳になると、儀式を受けます。その儀式が成功すれば、魔法を授かることができます。

ミラベルは、失敗しました。魔法を使える姉たちに、疎外感を抱いています。

現実で、疎外感を抱いている人は、ミラベルに共感できることでしょう。例えば、収入が少ないなどです。

また、ギフテッド(魔法を使える人物)の孤立や恐怖心も、描かれていました。【隣の芝生は青く見える】を実感しました。

『ミラベルと魔法だらけの家』あらすじ

幼少期のミラベル/祖母を救った一本のロウソク


コロンビアの山に囲まれた町、エンカント。

カシータと呼ばれた家の一室で、ミラベルが、祖母のアルマに抱きかかえられている。二人は、1本のロウソクを眺めていた。

「このロウソクが、私たちの奇跡の源」

アルマが、身の上話を始める。

50年前。

若きアルマが、夫と連れ立って夜道を歩いている。両手で、三つ子を抱きかかえていた。夫のペドロは、1本のロウソクを、かかげていた。後ろに、数人の仲間が続いている。

何者かが、馬を駆って、追いかけてきた。薄暗く、顔は判別できない。

ペドロは、妻と子供たちを背に、両手を上げた。命を落とす。

アルマは、悲痛な顔で、右手を伸ばした。三つ子を抱えたまま膝から崩れ落ちる。うな垂れた彼女の前に、ロウソクが灯っていた。

不意に、火力が増す。


四方の地面が、放射状に光り輝いた。地面が、轟音と共に、せり上がっていく。山となってアルマを囲んだ。

彼女は、口を半開きにして見上げている。

背後に、家が現れ、慌てて前に跳ねた。玄関と、二階の窓の扉が開く。手招きをするかのように、扉が、パタパタと動いた。

アルマが、満面の笑みを浮かべる。

突然、現れた家は、カシータと呼ばれた。

三人の子供は、5歳になると、カシータの一室の扉を開けた。それぞれ、ギフトを授かる。

三つ子の元に、四人の子供が生まれた。そのうちの一人が、ミラベルである。

ミラベルの儀式/魔法のギフト獲得失敗

アルマは、ロウソクを手に、ミラベルを見下ろした。

「今晩、このロウソクが、あなたにギフトをくれる。この町の力になって欲しい」

19時になった。

目覚まし時計が鳴り、スリッパがミラベルの前に滑り込んだ。喜々として、アルマの手を引っ張る。

「私のギフト、何かな?」

アルマは、中腰になった。

「どんなギフトでも、あなたくらい特別に決まっている」

10年後のミラベル/自分だけ魔法が使えない

10年後。

町の子供が、ミラベルを囲んだ。マドリガル家が授かった魔法を聞く。ミラベルは、笑顔で口を開いた。

叔母のペパは、天気のコントロール。叔父のブルーノは、未来の予知。

母親のフリエッタは、食事による病気の治療。

いどこのドロレスは、地獄耳。カミロは、変身の術。アントニオは、5歳未満で、ギフトはない。

長姉のイサベラは、一回のターンで周囲に花を咲き誇らせる。次姉のルイーサは、レンガ造りの橋を持ち運べるほどの力持ちだ。

「紹介は、これで終わり」

ミラベルは、背を向けた。少女が立ちはだかる。

「ミラベルのギフトは?」

前方の我が家から、ドロレスが、顔を覗かせた。真顔で、ミラベルにギフトはないと言い切る。子供たちが、憐れみの目を向けた。

ミラベルは、我が家を見据える。

「ギフトがなくても、家族も私も、特別よ」

アントニオがギフト獲得/ミラベルの孤立感


ミラベルは、帰宅した。

マドリガル家は、儀式の準備で、大わらわであった。ルイーサが、ピアノを運んでいる。イサベラは、花の飾りつけをしていた。

ミラベルが、ロウソクを倒した。アルマが、真顔で近づいてくる。

「私たちのギフトに、町の将来がかかっている。邪魔をしないで」 

ミラベルは、力なく笑みを浮かべた。自室に戻る。ため息をついて、ベッドに腰かけた。

ベッドの下に、アントニオが隠れていた。うつろな目をしている。彼の隣に並んだ。

「ドアを開ければ、最高の気分になれる」

「何も起きなかったら?」

「そうなったら、私の部屋にいることになる」

「ミラベルのドアは?」

「私には最高の家族と最高の家がある。あなたがいる」

ミラベルは、アントニオの手を握った。

「あなたが、ギフトとドアをもらえば、私も幸せよ」

目覚まし時計が、19時を知らせた。

「準備いい?」

ミラベルが、おどける。

2人は、中庭に向かった。中庭からの階段を、昇り切れば奇跡の扉である。扉の横から、ロウソクを手にしたアルマが見下ろしている。

階段の上り口に向かって、レッドカーペットが敷かれた。

アントニオに、スポットライトが当たる。彼は、不安げな顔つきで、硬直していた。横に手を差し伸べる。

ミラベルは、首を横に振った。アントニオは、眉尻を下げたまま、上目遣いを続ける。ミラベルは、暗い顔で彼の手を握った。アルマが息を飲み、観衆がざわめいた。

連れ立って扉へ向かう。

ミラベルは、レッドカーペットの上で、幼少期の儀式を思い出した。ドアノブに手を触れた途端に、扉が消えている。

アントニオが、ドアノブを掴んだ。ドアが、光り輝く。彼は、動物の言葉が分かると声を弾ませた。

アルマが、新たなギフトですと声を張った。階下で、拍手が沸き起こる。アルマが、アントニオに笑いかけた。

ミラベルから、笑みが引っ込んでいく。悲しむなと言い聞かせ、目を伏せた。

山を動かせず、花も咲かせることができない……。

何かが、庭に落ちた。タイルの一部であった。拾い上げると、崩れた。手の平に傷を負う。

石畳に亀裂が走った。

「カシータ?」

亀裂は、昇り階段に続いた。叩きつけるような音を鳴らしながら、奇跡の扉や壁を走って行く。

二階の出窓を見上げた。ロウソクの火が、小刻みに揺れ動き、小さくなっていく。

家(カシータ)に亀裂が走る

ミラベルは、二階へ駆け上がった。

家が崩れる!

アルマやアントニオの親が、目を向けてくるが、無表情であった。

険しい顔つきのアルマと共に、中庭に降りる。

ミラベルは、動揺した。ロウソクは、燃え盛っていて、壁のヒビが消えている。信じてと訴えた。

アルマが、手の平を向ける。彼女は、宴を続けてと声を張り上げ、奇跡の部屋へ戻っていく。

ミラベルは、キッチンに向かった。宴は続いている。

「家を守ろうとしただけなの。儀式を邪魔する気はない」

フリエッタに手の傷を見せた。彼女は、ミラベルを抱き寄せた。

「ブルーノは道を見失った。同じにならないで」

ミラベルは、自室のベッドに横たわった。窓越しに、向かいの部屋を見遣る。

窓際に、ロウソクがあった。火に勢いがある。

屋根を伝い、出窓に歩み寄った。アルマの横顔が、視界に入る。

ミラベルは、しゃがみ込んだ。身を縮こまらせながら、視線を戻す。

アルマは、悲壮な顔つきで、ロケットペンダントを見つめていた。ペドロの顔写真が納まっている。

「助けて、カシータにヒビが。家族が気づいたら……二度と故郷を失いたくない」



ミラベルは、自室に戻った。

「私が奇跡を救う……どうやって?」

写真立てを手に取った。家族写真の、ドロレスに目を止める。

何でも聞こえる人間が家族にいる……。

外へ出た。

「昨夜、何か聞いていないか」

露店のドロレスに、声をかける。外見が崩れ、カミロのおどけた顔が現れる。

ドロレスが、呆れた顔つきで、姿を見せた。

「心配しているのは、ミラベルだけ」

続けて、ルイーサの目がぴくぴくと動く音を聞いたと打ち明ける。

ミラベルは、ルイーサの顔を覗き込んだ。

何を隠しているの?

邪険に突き放された。

ルイーサは、役に立たなきゃ価値はないと声を落とす。

果たして、ミラベルは、カシータに、ヒビが入った原因を突き止めることができるのか?

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