『トッケビ 』第10話のあらすじと感想【サニーと王妃ソンの関係性】
『トッケビ~君がくれた愛しい日々~ 』10話のあらすじと感想です。参考にしていただけると幸いです。
まずは、前話(9話)を簡単に振り返ります。
シンの体から剣を抜くと、彼が死ぬー。
死神からその事実を知らされたウンタクは、家出をしました。スキー場のレンタル施設で働き始めます。
シンは、ウンタクの居場所を探るため、彼女の処理漏れ申請を提出するよう死神に依頼しました。
死亡予定日や死亡原因(凍死)が記載された名簿が届きます。シンは、ウンタクを救出しました。
一方、死神が、サニーを訪れます。彼は、サニーから本名(キム・ソン)を聞き出してサニーの記憶を消去していました。
そのことを忘れていた死神は、思わずサニーの本名を口にします。
10話のあらすじは、高麗時代の王妃ソン(シンの妹)が中心になります。
トッケビ 第10話 あらすじ
死神、サニーの前世(王妃ソン)を見る
オリーブチキン店の前。
サニーが、神妙な顔つきで死神に話しかける。
「どうして、名前を知っているの?」
「キム・サニーさんと呼んだんです。寒いでしょ、すぐ上着を」
死神は、慌てた様子で店内に戻ろうとした。
「話が、終わっていない」
彼は、後ろから手を掴まれた。恐る恐るサニーの右手を見つめる。彼女の指に、高麗時代の指輪が嵌められていた。
900年前の王妃ソンが、死神の脳裏に浮かぶ。
高麗時代。
王妃ソンが、王宮前の毬庭(まりにわ)で絶命していた。サニーの指輪が、王妃の指に嵌め込まれている。
その指輪は、王ワン・ヨから贈られた結婚指輪であった。
死神は、意識を現実に戻した。
サニーが怪訝そうに彼を見つめる。
「手を握られて焦ったのは、既婚者だから? 諜報員?」
死神は否定した。
「じゃあ、死神かしら?」
死神は言葉に詰まった。
「笑わないのね。既婚者でも諜報員でもないならいいわ」
サニーは肩をすくめて店内に戻っていった。
死神が、サニーの指輪を凝視する。
「一度返してもらえませんか。明日、前に会ったカフェで」
死神、サニーと王妃ソンの関係性に悩む
死神は、突然、脳裏に浮かんだ王妃ソンについて、考えた。
一つ目の事実は、掛け軸の女性(王妃ソン)とサニーの前世は同じ顔であること。
二つ目の事実は、王妃ソンが、シンの妹であること。
死神は、首を横に振った。
「シンの妹の生まれ変わりか? 分からない」
サニーを見て泣いたことを思い出した。さらに、掛け軸の王妃ソンを目にして涙をこぼしたことも。
「涙した理由は? あの感情は何だ? 2人の過去と、俺の消された記憶に何か関係が?」
死神は、自問自答に答えを見出せない。
翌日、死神は、カフェ店でサニーと向かい合った。サニーに、指輪を預かる理由を聞かれる。
調査を少々……と言葉を濁す。サニーに、指輪を嵌めた感触を聞いた。
「会うのは短く、待つのは長い男。まさか、指輪を取り上げるとはね」
彼女は、指輪を取り外しテーブルに置いた。
シン、パク・チュンホンの悪行を語る
シンの自宅。
「私の妹の名も、キム・ソンだ」
シンが死神に切り出した。
「もう少し話してくれ。お前が、どう生きて、どう死んだのか」
ウンタクが、彼らに気づいた。壁に隠れて、聞き耳を立てる。
「将軍だったと言っただろ。主君に殺された、高麗の武臣だ」
シンは、高麗時代を語りだした。
- 将軍として仕えていた王の死後に、1人の王子が生まれたこと。
- 身分の低い王子の母が、ほどなくして病死したこと。
- 王子の年の離れた兄が、先王だったこと。
- 幼い王子の味方が、国子監(国の最高教育機関)の博士であるパク・チュンホンのみであったこと。
- パクが来てから、不審な出来事(王位継承者や王族の死)が続いたこと。
- 王子の兄である先王も亡くなったこと。
- 成長した王子が、先王たちが毒殺されたのだと悟ったこと。
- 死床の先王から『弟のヨが王座についたら、そなたの妹を嫁がせ、ヨを守ってくれ。正しい道を歩ませ、過ちを犯したら戒めよ』と遺言を託されたこと。
話の途中で、死神が聞く。
「パクが、王と王位継承者を殺し、王子を王にしたのか?」
「王命に背いて凱旋し、王の嫉妬心を甘く見ていた。なにより、妹が命がけで王を守っていた」
シンは、消え入りそうな声で言った。
王妃ソンとパク・チュンホンの確執
高麗時代(900年前)。
成長した王のヨは、シン将軍の妹ソンをめとった。
パクが苦言を呈する。
『武臣の妹を、后に選ぶとは。先王は、その遺言をお控えになるべきでした』
彼は、宴の席で、数名の大臣と宰相の会話を耳にした。
パクは、ヨに進言した。
『王室を侮辱した宰相を打ち首とし、王の威厳を示すべきかと』と、
王妃ソンが、パクを呼び出した。
『王様の目を塞ぎ、惑わせるのは止めなさい。宰相の処刑は適切ではない』
パクは、憤った。
『黙れ。ヨを育てた私は、父親も同然だ。諫めるべきはお前の兄だ。』
シン将軍は、王のヨから剣を授かった。
ヨが、王命を下す。
『可能な限り遠くへ行き、戻ってくるな。戦場で華々しく死んだと知らせを寄越せ』
王妃ソンは、ヨに、辺境の兄を呼び戻すよう懇願した。そして、パクとは距離を取るべきだと忠告する。
ヨは、声を荒らげた。
『そなたの兄は、神と崇められている。あやつの剣が私に向けられぬ保証はない』
傍らのパクが、口を開く。
『上将軍キム・シンを打ち首に処し、王の威厳をお示しください』
後日、シン将軍と王妃ソンは、王とパクの眼前で命を落とす。
ウンタクの通帳を守っていた幽霊ジョンヒョン
シンと死神の話を立ち聞きしていたウンタクが、口を開いた。
「ちょっと外出を」
ウンタクは、シンと連れ立って外出した。
ジョンヒョンの骨壺が納められている納骨堂に着く。ジョンヒョンは、ウンタクが通う図書館に出没する幽霊であった。
ウンタクは、ジョンヒョンの名前を見つけた。顔を強張らせる。
「私のママだよね? 間違いない」
骨壺の隣に、写真立てがある。ジョンヒョンと母親が笑っていた。
ウンタクが、シンに声をかける。
「おじさん、図書館への扉を開いて」
幽霊のジョンヒョンは、図書館のロッカー前にいた。
ウンタクが駆け寄っていく。
「ママの友達……ですか?」
「あなたのそばにいたのは、ヨニの娘だからよ。子供が出来たら服を贈り合う約束をしたけど、服を買えないからお金を守ったわ」
ジョンヒョンは、暗証番号を教えた。
ウンタクは、ダイヤル錠を解錠しロッカーの扉を開けた。
20冊ほどの預金通帳が、山積みになっている。
「ヨニの保険金でしょ? それで学費を払って」
ウンタクは、預金通帳を一冊手に取った。
「このために、今まで、この世に?」
「あなたの成長を見守るのが楽しくて、長居しちゃった。そろそろヨニの所へ」
ジョンヒョンは、手を振った。
ウンタクが、涙ながらにお礼を述べる。ジョンヒョンは、景色に溶け込んでいった。
ユ会長の死期
シンは、ユ会長と囲碁を打った。ユ会長の死期を悟り、碁を落とす。
死神に声をかけられた。
シンは、ぼんやりとした表情で口を開く。
「じき名簿が届く。お友達(サニー)は元気かと、会長が気にしていた」
「サニーは、シンの妹の生まれ変わりだ」
果たして、シンは、死神の言葉に、どんな反応を示すのか?
気になった方は、本編でどうぞ。
トッケビ 第10話 感想/重い前半と笑える後半のギャップが良い
10話の前半部分(シン将軍と妹のソンが命を落とすまでの高麗時代)が、重かったです。
王であるヨの、シンに対する嫉妬心は理解できました。武臣のシンが神と崇められては、王の立場がないからです。
ただ、ヨを王にして操りがたいために、王位継承者を毒殺したパク・チュンホンは不快な存在です。
このまま10話は、切ないストーリーで終わるのかと思いきや、後半に笑い所が用意されていました。
例えば、長ネギを持った2人が、トンネルをランウェイに見立てて歩くシーン。
第3回のセルフパロディ(誘拐されたウンタクを、シンと死神が救出)ですね。
確かに、トンネル内の逆光の中浮かび上がったシンと死神のシルエットが格好いい。
でも、長ネギの入った買い物袋に、可笑しみを誘われました。
後ろから、バイクの運転手に「危ないだろ。歩道を歩けよ」と怒鳴られて、飛びのく2人が滑稽でした。
シンが「歩道を歩けと新年の訓示を与えてくれた」と言って、死神が「助言に感謝して仕返しはしない」と頷いたのも良かったです。
他にも、サニーに振られた死神を、シンとウンタクが励まそうとしたシーンもお気に入りです。
シンとウンタクは、死神をサニーをそれぞれ連れ出して引き合わせました。
サニーは黄色の衣裳を、死神は白のコートをまとっています。
シンが、余計なこと(サニーを黄身、死神を白身)を言って場を白けさせたのが個人的にツボでした。
トッケビ 第10話 キャスト
- トッケビこと、シン(コン・ユ)
- ウンタク(キム・ゴウン)
- 死神(イ・ドンウク)
- ドクファ(ユク・ソンジェ)
- サニー(ユ・インナ)
- シヌ会長(キム・ソンギョム)
- 王妃ソン(キム・ソヒョン)
- 王ワン・ヨ(キム・ミンジェ)
- パク・チュンホン(キム・ビョンチョル)
- キム秘書(チョ・ウジン)