『コララインとボタンの魔女(2009)』のあらすじと感想【現実とパラレルワールド】
『コララインとボタンの魔女』は、2009年にアメリカで上映された映画です(日本公開は、2010年)。
豪勢な食事や甘美な生活に惑わされる主人公コララインに、感情移入してしまいました。
大人でも、欲望に負けて痛い目に遭うこともあるからです。
あらすじと感想を書いたので、参考にしていただけると幸いです。
コララインとボタンの魔女 あらすじ
ピンクパレス・アパートの小さな扉
少女のコラライン・ジョーンズは、ミシガン州からオレゴン州の築150年のピンクパレス・アパートに引っ越した。
そのアパートの大家の孫・ワイビー・ロヴァットが「ピンクパレスは子持ちに貸さないのに」と首を傾げる。
大家であるお婆さんは、ピンクパレス・アパートに住んでいた子供の頃に、双子の姉妹が突然消えたという過去があった。
さらに、ワイビーは、お婆さんのトラックからコララインそっくりの人形を発見し、彼女へ送った。
コララインのママは、自動車事故で首を痛めている上に、園芸ライターの仕事が立て込んでいた。
パパも在宅勤務であるが、仕事で忙しく娘に構う余裕がない。
しかも、雨が降っている。
コララインは、新居で暇を持て余していた。
パパが、ドアと窓の数を数えなさいと命じる。
コララインは、ワイビーから貰った小さな人形を抱えて古めかしい室内を探索した。
小さな扉を発見する。
ママに鍵を借り受けて扉を開いた。中は、レンガ壁だった。
コラライン、パラレルワールドでもう一組の両親を発見する
コララインが、夜中に現れたネズミの後を追う。
ネズミが、小さな扉をくぐる。
扉の先に異空間が広がっていた。
それをくぐった世界には、もうひとりのパパとママがいた。
しかし、彼らの目はボタンである。
コララインは「私のママじゃない。目が違うわ」と訝しかった。
だが、現実の世界と違って優しい。
さらに、美味しい料理も出してくれる。
食べ放題の綿あめや、ポップコーン。それを食べながら鑑賞するトビネズミのサーカス。
コララインは、数回ほど、夜中にこっそりとパラレルワールドを堪能した。
コララインは、ずっとここにいたいと言った。
パラレルワールドの両親が、コララインに目をボタンに交換するよう要求する。
コララインは、取り乱した。
就寝し現実に戻ろうとした。
しかし、眠れない。
彼女はアパートを出て現実に帰ろうとした。
だが、アパートに戻ってしまう。
扉の取っ手を破壊して、小さな扉を探した。
パラレルワールドのママに見つかってしまった。
パラレルワールドのママは、魔女
「私が一緒にいたいのは、本当のママとパパなの。解放して」
コララインが語気を強めて言った。
「ママに向かって何よ。今すぐ謝りなさいコラライン」
パラレルワールドのママの容姿が、ひょろ長く変化した。
ママは、魔女だった。
「いい子になったら、出してあげるわ」
ボタンの魔女は、コララインの鼻をつまみ部屋に閉じ込める。
コララインは、薄暗い室内に誰かの気配を感じた。
真っ白で、目がボタンの幽霊が、三体現れる。
幽霊たちは、口を開いた。
「人形の目を通して私たちをスパイしてたの。そして僕らの不満を見つけると、贈り物や食べ物でおびき寄せる」
「どんどんのめり込み・・・目をボタンにされたの。愛してるって言われた。でも閉じ込められ魔女は私たちの命を食べた」
コララインは幽霊たちを見据えた。
「魔女を倒して、ここを出る」
突然、何者かが、コララインを抱えた。
彼女は、薄暗い室内から引っ張り出される。
果たして、誰がコララインを引っ張り出したのか。
コララインは、現実世界に戻れるのか。
コララインとボタンの魔女 感想/パラレルワールドという設定が面白い
コララインが、パラレルワールドに夢中になってしまったのは、現実で仕事が忙しい両親に相手にされなかったからでした。
それを見抜いたボタン魔女が、コララインをパラレルワールドに引き込んで魂を食べようとしています。
詐欺を連想しました。
コララインのように、大人でも甘い言葉に惑わされる人がいます。
例えば、対面することなく、被害者が現金を奪われる特殊詐欺など。
多額の賞金が当たった。少額の手数料を支払えば、その賞金を受け取ることができるという言葉に騙されてしまう人がいます。
少額のお金を送ったくらいで、大金が手に入るわけないと思います。
その違和感は、魔女のボタンの目を見たコララインが抱いたそれと一緒でしょう。
でも、コララインが豪華な食事に惑わされたように、詐欺の被害者は大金に目が眩んでしまったように思いました。
コララインとボタンの魔女 声優・監督
- コラライン・ジョーンズ/ダコタ・ファニング(榮倉奈々)
- コララインの母、ボタンの魔女/テリー・ハッチャー(戸田恵子)
- コララインの父/ジョン・ホッジマン(山路和弘)
- ワイビー・ラヴァート/ロバート・ベイリー・Jr(浪川大輔)
- 黒猫/キース・デイヴィッド(劇団ひとり)
- 監督・脚本/ヘンリー・セリック 代表作『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993)』『ジャイアント・ピーチ (1996)』『モンキーボーン (2001)』