『キャッシュトラック』あらすじ【パトリック・ヒルの静かな怒り】
今回の記事は、『キャッシュトラック』のあらすじになります。
三幕構成(設定、障害、解決)のうち、設定だけを書きました。
パトリック・ヒルが、フォーティコ・セキュリティ社に入社した目的を考えながら視聴して欲しいです。それが分かると、冒頭のシーンの見方が変わります。
『キャッシュトラック』のあらすじ
キャッシュトラック[Blu-ray]
襲撃された現金輸送車。駆け寄った人物
現金輸送車が、フォーティコ・セキュリティ社の正門を抜けて、右折する。
ヘルメットと作業服を着用した男が、進み出てきた。【STOP】の札を掲げていた。彼の背後から、ミキサー車が向かってくる。
輸送車を停止させると、そのミキサー車は、側面を露わにして道路を塞いだ。運転席から、男が降りてきた。銃口を向けられている。
車体の側面の一部分が切り取られた。輸送車の警備員が、無線機を手に取り、襲撃されたと叫んだ。催涙弾を投げ込まれる。二人の警備員は、引きずり降ろされた。
無人の現金輸送車から、バッグが運び出されていく。
発砲音が響いた。降ろされた警備員たちが抵抗を始める。撃たれて倒れ込んだ。
襲撃犯が、輸送車の後ろに視線を向けた。
「右から来た」
「脚を狙え」
発砲音が響く。
「脚と言ったろ」
「残り、1分だ」
襲撃犯たちは、輸送車から離れていった。
パトリック・ヒルが、フォーティコ・セキュリティ社に入社
フォーティコ・セキュリティ社の役員室。
パトリック・ヒル(ジェイソン・ステイサム)が、椅子に腰かけている。社長が、後ろから声をかけた。
「うちは、現金輸送車の武装警備が、専門だ」
パトリックは、無表情である。
社長は、話を続けた。一日に、1500万ドルを運んでいること。それゆえ、狙われやすく、給料が高い。彼の、顔が曇った。先日、警備員が殺され、犯人は逃亡中だという。
パトリックは、フォーティコ・セキュリティ社の警備員に採用された。だが、ランニングやバーベル、銃撃、輸送車の運転などのテストは、合格ライン(7割)スレスレである。
初出勤の日を迎えた。パトリックは、現金輸送車の助手席に乘った。
運転席に、デイヴ(ジョシュ・ハートネット)。
後部座席に、警備チームのリーダー・ブレット(ホルト・マッキャラニー)。
デイヴは、ハンドルを握りながら、殺された同僚の話を始めた。本来は、彼が運転する予定だったという。病欠で代わってもらった。
US銀行に到着した。200万ドルを輸送車に積み込む。再び、フォーティコ・セキュリティ社に戻った。
フォーティコ・セキュリティ社のロッカールーム。西日が差し込んでいる。
パトリックは、タイムカードを凝視した。顔写真と名前が書かれている。
パトリック・ヒル、ブレットを救出
翌日。
現金輸送車が、港に停まっていた。
「遅いな。1万ドルを届けるだけだぞ」
運転席のデイヴが、無線機を手にする。
「ブレット、何をしている?」
応答がない。デイヴは、苦笑いを浮かべた。
助手席のパトリックが、無表情で、彼を見つめている。
突然、無線から、ブレットの叫び声が流れた。誰かと言い争っている。
続いて、ブレットの、か細い声が流れてきた。デイヴの名を呼んでいる。男の声が、被さった。こいつを殺す。
デイヴの顔から笑みが消える。
パトリックは、デイヴが手にしている無線機に視線を注いだ。眉間に皺が寄っている。無線機から、声が流れてきた。
『俺の指示に従え』
デイヴは、無線を切った。焦燥の色を顔に浮かべ、呟いた。
「走り去るのが規則だ。輸送車の250万ドルがなければ、ブレットは殺されない」
パトリックが、彼を見据えた。「考え直せ。ブレットを助ける」
デイヴは、無線機の声に従い、輸送車を走らせた。
うしろに、一台の車が現れる。停まるよう命令された。
巨大倉庫の前に、赤い一台の車があった。そこから、両手を拘束されたブレットが降ろされた。
パトリックは、顔色を変えずに、彼を見遣っている。
無線機の声が、輸送車の金をトラックに移すよう命じた。
デイヴは、全員殺されると呟いた。
パトリックは、犯人を凝視しながら、俺に任せろと言った。後ろのドアを開けて、バッグを、トラックの荷台に投げ入れていく。バッグの一つが地面に落ちた。
一人の男が銃を構えて車を降りてきた。彼は、愚痴をこぼしながら、バッグを拾い上げる。同時に、パトリックが銃を撃った。
男は眉間を打ちぬかれ倒れた。パトリックは、輸送車を降り立ち、襲撃犯の5人を撃っていく。最後の一人が、背中を向けて走り出した。倉庫に逃げ込んだ。
パトリックが、追いかける。男の両足を撃つ。男は、倒れ込んだ。パトリックが見下ろして、黒幕を聞く。男は、悪態をついた。パトリックは、無表情で男の命を絶った。
デイヴとブレットが、到着した。呆然と、パトリックを眺める。
パトリック・ヒルとFBI
パトリックは、フォーティコ・セキュリティ社で、FBI捜査官から事情聴取を受けた。
デイヴやブレットの証言で、咎められることはなかった。
社長は、仲間を救ったことを称賛。
だが、FBIは、なぜ無傷でいられるのか、訝し気であった。射撃の経験を問われた。訓練の成果が合格点ギリギリだったことを疑問視している。
パトリックは、命がけだったと溜息をついた。
FBI捜査官が、彼にノートパソコンの映像を見せた。同僚が襲撃された事件のものだ。今回の強盗と関連性があるかパトリックに聞く。
映像には、工事作業者に扮した4人が、輸送車に銃を向けていた。
パトリックは、一人の男を見つめ続けながら、関連性はないと答えた。
一ヵ月、内勤の仕事を命じられた。パトリックは、心外そうな顔つきである。
ダグラス・ハーグリーヴスの検視報告書
パトリックの自宅に女性が訪れた。彼女から書類を受け取り、無言のまま、ドアを閉めた。
書類は、従業員の資料や同僚女性(デイナ)の家族写真、検視報告書であった。検視報告書に、ダグラス・ハーグリーヴスとある。
パトリックは、肩を落として、それらを眺めた。
パトリック・ヒル、現金輸送車を奪われる
3ヶ月後。
現金輸送車が、露店が立ち並ぶ、チャイナタウンに入った。
運転席に、ブレット。パトリックは助手席だ。
バイクに進路を遮られた。
もう一人の男が、建物の陰から現れる。二人とも、フルフェイスのヘルメット。スモークで、顔は分からない。
墨のようなもので、車の窓の視界を遮られた。後ろからも、男が現れた。バックミラーを黒く塗りたくられた。
後部の車体を切り取ろうとしている。ブレットが険しい顔つきで、無線機を取る。
襲撃犯が降りろ、伏せろと叫ぶ。ブレットは地面に降り、伏せた。
パトリックは、口をタオルで塞ぎ、後部ドアから降り立った。
現金輸送車を奪われた。
パトリック・ヒルの正体
ブレットが、ビリヤード場でデイヴと向かい合っている。
ブレットが口を開く。
襲撃犯が、パトリックを見て驚いたという。
デイヴが、パトリックは何者だ?と訝しがった。ブレットは、パトリックを悪霊に例えた。
果たして、パトリックは、何者なのか。フォーティコ・セキュリティ社に入社した目的は?
検視報告書の、ダグラス・ハーグリーヴスとの関係は?
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