『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』あらすじと感想【キャプテン・アメリカVSヒドラの残党】
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のあらすじと感想を書きました。
参考にして頂けると幸いです。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』あらすじ
スティーブ、シールド幹部救出作戦に違和感
戦闘機がインド洋を横断している。
機内に、キャプテン・アメリカこと、スティーブ・ロジャース (クリス・エヴァンス)の姿があった。
傍らに、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ (スカーレット・ヨハンソン)もいる。
2人の視線は、ラムロウ(フランク・グリロ)に注がれていた。
ラムロウが指令の詳細を教える。
シールドの船、レムリア・スターが海賊に乗っ取られた。海賊のリーダーは、フランスの元工作員、G・パトロック。
乗組員やシールド士官のシットウェル(マキシミリアーノ・ヘルナンデス)が人質となっていた。
スティーブたちは、シールドから、人質の救出を命じられた。
真下には、レムリア・スターが航海中である。スティーブは飛び降り、レムリア・スターに着地した。
遅れて、ナターシャやラムロウもパラシュートで降下する。
シットウェルや乗組員を救出した。
スティーブは、無線でナターシャに呼びかける。返事がない。
不意に、バトロックが襲い掛かってきた。
スティーブは、彼を返り討ちにする。ナターシャは、端末室にいた。シールドの情報をUSBにコピーしている。
救出任務じゃないのか?
スティーブが表情を曇らせて聞いた、ナターシャは、あなたはねと返した。
スティーブ、シールドに失望
スティーブは、シールド本部のトリスケリオンに乗り込んだ。
「ナターシャとは別任務だった。共有するべきだろう?」
ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)に怒りをぶつけた。
フューリーは表情を変えない。彼は、スティーブを地下のインサント・ベイに案内した。
戦闘機や軍艦が並んでいる。
「インサイト計画だ」フューリーが、インサイト・ベイを案内しながら口を開く。
新型のヘリキャリアが三機、衛星とリンクした防衛システム。1分間で千人を殺める長距離機関砲があった。
衛星が、テロリストのDNAを読み取って、テロの脅威を排除できるという。
フューリーは、ニューヨーク襲撃後に、テロ対策の強化を考えるようになった。
スティーブは、全人類に銃を突きつけるのか? と眉をひそめた。
フューリーは、SSRの資料を読んだと言ってスティーブを睨んだ。
「自由のために戦った、これは恐怖だろ?」スティーブが、インサント・ベイを指差す。
シールドの方針に慣れろと言い放つフューリー。
スティーブは、期待するなと言い残して立ち去った。
フューリーは長官室に戻った。機密ファイルにアクセスを試みるも、拒否されてしまう。
AIに、誰の権限だと問う。
AIは、フューリーの名前を口にした。フューリーは、顔を強張らせる。
シールド長官のアレクサンダー・ピアース(ロバート・レッドフォード)を訪ねた。
インサイト計画の延期を願い出る。ピアースは、アイアンマンを呼べと返してフューリーの申し出を断った。
スティーブの苦悩。正しさとは
スティーブは、帽子を目深に被って、スミソニアン博物館に入った。
キャプテンアメリカにまつわる展示会が催されている。
スティーブの経歴や、第二次世界大戦時にこなした任務(ナチスの極秘化学部門である『ヒドラ』の壊滅)などが、場内アナウンスされていた。
映画館のようなスペースに腰をおろす。
生前のバッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)の映像がスクリーンに映し出された。
続いて、1953年のカーターによるインタビュー映像が流れる。
彼女は、スティーブに関する質問に応じた。
スティーブがヒドラを倒し、千人の兵士が救出されたこと。
後に私の夫になったこと。そして、スティーブの死……。
カーターは涙を流した。
スティーブは、ロケットペンダントを開いた。若かりし頃のカーターを凝視する。
年老いたカーターを訪ねた。
「祖国のために自分を犠牲する決断をした。だが、正しいことが分からない……軍は変わった」
カーターは、スティーブの手を握った。大げさね。あなたは世界を救ったのよと笑う。
君がシールドの創設に関わったから、自分は軍にいる。
スティーブは感謝を述べた。
カーターが彼の手を握り、「過去には戻れない。何回でも最善を尽くすだけよ」と微笑んだ。
ウィンター・ソルジャーが立ちはだかる
フューリーが、オフィス街で車を走らせている。
信号待ちの間に、警察車両が四方から衝突した。SWATの装甲車両が横づけする。
男たちが降りてきた。
フューリーの車両AIが、周辺に警察車両はなしとアナウンスした。
銃弾が撃ち込まれた。防弾ガラスの耐久性が低下とAIの声。
耐久性が、1%になった。
フューリーは車内からマシンガンを撃っていく。
駆動力が回復。フューリーはアクセルを踏んだ。
だが、警察車両が追いかけてくる。交差点で急ブレーキをかけ、方向転換。
黒ずくめの男が前方に現れた。彼は、小型爆弾を放った。
車底部にひっつき爆発する。車は180度回転しアスファルトに叩きつけられた。
フューリーは、レーザーで天井を焼き切って逃げ出した。
フューリーの死
スティーブが帰宅した。
隣人の女性に声をかけられる。ステレオがついたままという彼女の言葉で、スティーブの表情が険しくなった。
忍び足で部屋に入る。レコードが回っていた。
フューリーがソファに腰かけている。
電気をつけ、フューリーの怪我に気づく。スティーブは何かを言いかけた。
フューリーが手の平で制止する。彼は、スティーブにスマホ画面を示した。
画面には、【盗聴されている。シールドが危ない】と打ち込まれている。
フューリーは立ち上がり窓際に歩を進めた。破裂音が響き、崩れ落ちた。
スティーブは、彼をを引きずって窓から離れる。
フューリーが、誰も信用するなと言ってUSBを渡した。
隣人の女性が部屋に入ってきた。シールドのエージェント13と名乗る。
フューリーに気づき医療班を無線で呼んだ。
外を覗くと、狙撃手が背中を向けた。スティーブは、窓を突き破り狙撃手を追いかける。
ビルの屋上まで駆け上がった。男の背中めがけて、丸盾を投げる。
狙撃手が振り返り、盾を掴んだ。
彼は、フューリーの車を爆破したウィンター・ソルジャーだった。
丸盾を投げ返される。スティーブは衝撃で数メートルほど後ろへ滑った。
視線を戻す。ウィンター・ソルジャーの姿はなかった。
フューリーは病院に運ばれ、緊急オペが開始される。スティーブがガラス越しにオペの様子を見守っていた。
ナターシャが駆け込んでくる。
彼女は、フューリーに怪我を負わせた人物を聞いた。スティーブは、素早くて強く金属の腕だったとしか答えられない。
フューリーの息が止まった。医師が心臓にカウンターショックを与えるが死亡時刻を確認した。
スティーブ、シールドに追われる
スティーブは、シールド本部のトリスケリオンに足を運んだ。
ピアースが、彼に取調室の映像を見せる。
バトロックが拘束されていた。昨日アルジェで逮捕されたという。
ピアースは、誰かが、パトロックにレムリア・スターを襲わせたと言った。
17個の口座を追っていくと、ジェイコブ・ヴィーチ名義のそれに行きついた。
だが、ジェイコブ・ヴィーチは、六年前に死亡していた。
最後の住所は、エルムハースト1435。フューリーの母親の住所が、1437。
ピアースは、フューリーがバトロックに船を襲わせたと考えた。
「フューリーの目的は、海賊の乗っ取りに見せかけて機密情報を盗むことだった。買い手と揉めて殺害された」
「フューリーは、そんな男ではない」スティーブが反発した。
ピアースは続ける。
「フューリーが君を訪ねたのは偶然ではない」
「誰も信用するな」
スティーブは、フューリーの最後の言葉を口にして退室した。
エレベーターに乗ると、ラムロウたち同僚が相乗りしてきた。
ラムロウが警棒を振りかぶる。
スティーブは、エレベーターの窓ガラスを突き破り、一階のロビーに落下した。
外へ出ると、戦闘機に行く手を阻まれた。戦闘機に飛び移りエンジンを破壊する。
ウィンター・ソルジャーは存在しない男
スティーブは、フューリーが亡くなった病院へ戻った。
ナターシャが姿を見せる。
彼女は、フューリーを殺めた男を「存在しない男、ウィンター・ソルジャー」と言った。
続けて、ウィンター・ソルジャーに殺されかけた過去を語る。
「あいつは、亡霊だから追っても無駄よ」
2人は、商業施設のインターネットカフェへ向かった。
「使えば場所がバレるから制限時間は9分」
ナターシャが、パソコンにフューリーのUSBを挿す。ファイルを開きフューリーは正しかったと呟く。
画面上には地図があり、ニュージャージー州のウィートンが明滅していた。
スティーブとナターシャは、インターネットカフェを退室する。
ラムロウたちに気づいた。彼らは施設内に鋭い視線を走らせているが、スティーブには気づいていない。
車で、ウィートンへ向かった。
スティーブの古巣
車を停めた。前方には、フェンスに囲まれた建物がある。
ナターシャが、ファイルの出所よと言った。
敷地内に入ったスティーブは「僕の古巣さ」と応じる。超人化する前の戦時中を思い出した。
「熱反応がない」ナターシャが小型端末を見つめる。
スティーブが、ある建物に違和感を覚えた。中へ入る。内壁にシールドのロゴマークがあった。
「ここから始まった」スティーブが室内に視線を走らせながら呟く。
奥まった一室に、シールド創設者(トニーの父親やカーター)の肖像写真が飾られていた。
奥に隠し部屋を見つけた。ドア横には、テンキー式のデジタルドアロック。
なぜ隠すのか?
スティーブが、訝しがった。スマホをかざす。
モニター越しに、テンキーを映した。指紋の痕からパスワードを読み取る。
隠し部屋には、旧型の巨大パソコンがあった。ナターシャが、設備の古さに感嘆の声を漏らす。
彼女は、フューリーのUSBを端末に差し込んだ。
端末が起動。
何者かが、ナターシャの名を呼ぶ。旧式のモニターに、男の顔が映し出された。
ワタシハイキテイル。
スティーブは、動揺した。男は、ドイツ人の科学者・アーニム・ゾラ。
ヒドラの総統レッドスカルの側近だった。スティーブがレッドスカルを倒し、ヒドラは滅びている。
ゾラは、戦後に創設されたシールドに雇われた。1972年に不治の病に侵されて亡くなっている。
「シールドで、二つ目のヒドラが生まれた。私は勝利した」
モニターのゾラが勝ち誇ったように言った。
スティーブがモニターに拳を叩きつける。
ゾラは別のモニターに出現し、インサイト計画のアルゴリズムを書いたと続けた。
ナターシャが内容を問う。ゾラは、答えを知る前にお前たちは死んでいると言い放つ。
出入口が塞がれた。
ナターシャがスマホを取り出して呟く。
「短距離ミサイルよ。あと、30秒」
「誰が?」
「シールドよ」
ナターシャが、USBを手に取った。
「これでよいのだ。私も君も、もはや死ぬのみ……」
ゾラの言葉を待たずに、スティーブが、地下の鉄蓋を開けた。
彼とナターシャが身を隠し、ミサイルが衝突する。
スティーブは丸盾を頭上に、かかげた。
ウィルソンの自宅に逃げる
スティーブとナターシャは、ファルコンことサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)の自宅に身を寄せた。
スティーブが、ミサイルを撃ったのはピアースと断定した。続けて、船にファイルがあったことから、共犯者をシットウェルと推測する。
スティーブたち、3人は、シットウェルを拘束し真相を聞いた。
シットウェルとピアースは、ヒドラの残党であった。
ピアースはシールドを乗っ取り、ヘリキャリアでテロを企てているという。
3人は、ヘリキャリアへ向かった。だが、ウィンター・ソルジャーが立ちはだかった。
格闘中に、スティーブが、彼のマスクを剥がす。70年前に死亡したバッキーの名前を呟いた。
ウィンター・ソルジャーは、誰のことだ? と戸惑う。
ラムロウ率いるシールド隊員に囲まれた。
スティーブやナターシャ、ウィルソンは拘束された。ウィンター・ソルジャーは、立ち去った。
果たして、ウィンター・ソルジャーはバッキーなのか?
ヒドラ残党のテロを阻止できるのか?
気になった方は本編で、どうぞ。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』感想【カーターの言葉が印象深い】
印象に残った台詞に、カーターがスティーブに言った言葉(過去には戻れない。何回でも最善を尽くすだけよ)があります。
彼女の言葉によって、無気力なスティーブに活力が漲ったように見受けられました。
70年の冷凍状態から目覚めたスティーブは、軍のインサイト計画に失望します。
インサイト計画は、軍備強化によってテロリストの脅威に対抗するというものです。
スティーブは、シールド所有のヘリキャリアや戦闘機の物々しさに、人類が危険に晒されていると憂いました。
だから、インサイト計画にネガティブな気持ちを抱いたのでしょう。
そして、カーターに、軍は70年前と変わってしまったと愚痴をこぼしています。
そんな彼の心境が変化したのは、カーターに「過去には戻れない。何回でも最善を尽くすだけよ」と言われたからだと感じました。
この言葉を受けて、スティーブは、キャプテン・アメリカの使命を果たそうと決意したように見えました。
結局のところ、インサイト計画は、シールドに紛れ込んだヒドラの残党が企てたものです。
ヒドラ残党は、シールドの兵器を私物化し、何百万もの国民を殺めようとしました。
スティーブは、ウィンター・ソルジャーに阻まれながらも、何百万もの国民を助けようと果敢に立ち向かいます。
まさにカーターが言った台詞(何回でも最善を尽くす)を体現した行動でした。
だから、カーターの「過去には戻れない。何回でも最善を尽くすだけよ」が強く印象に残りました。