【歌詞考察】櫻坂46/無言の宇宙【僕と君の関係性は?】
【歌詞考察】櫻坂46/無言の宇宙【僕と君の関係性は?】
今回の記事は、『無言の宇宙(櫻坂46)』の歌詞考察になります。櫻坂46 1st Album【As you know?】の収録曲です。
登場人物は、「僕」と「君」の二人。無言ということで、彼らの関係性を考えました。
「僕」の片思いか
『無言の宇宙(櫻坂46)』の視点は、「僕」だけにあります。「君」へ想いを巡らせており、彼女に対して恋愛感情を抱いていることが分かります。
ただし、二人とも無言です。「君」の表情が描かれてないので、「僕」に対する感情が読み取れません。
ということで、二人は、恋人なのか友達なのか関係性が気になりました。次の歌詞で、二人は、友達以上恋人未満の関係にあると感じます。しかも、「僕」の片思い。
・唯一の真実があやふやな関係
・(僕の)表情から「君」への好意を感じ取って欲しい
・情熱的に何度 アプローチされても動かぬものは動かないだろう
「僕」は、アプローチをかけても返事がないと、胸のうちで呟いていますね。片思いの辛いところです。「僕」は、告白をしようと「君」を呼び出したのでしょう。ただし、好意を打ち明けるか、迷ってしまった。その理由は分かりません。
かつて、告白して断られたことがあって、今回が二回目の告白になるのでしょうか。結局、好意を打ち明けることなく、歌詞は終わっています。
歌詞のあやふやな関係、というのは、友達以上恋人未満という関係といえます。
ただし、それでも、「僕」は以下のように満足しています。
「僕」は友達以上恋人未満の関係でも満足している?
脈は、「筋だって続くもの」という意味でした。山脈であれば、山が連なっていますし、水脈であれば、地中の自然に水が流れる路です。
愛の脈で、推し愛を想像しました。芸能人に抱くような、「君」が視界に入っただけで溢れ出る尊い感情です。
ただ、無言でいる「君」の表情が描かれていません。ミステリアスです。その「僕」を包むミステリアスな空間が『無言の宇宙』ではないでしょうか。
秋元康さんは、自身を「僕」に投影しているように。秋元さんの好きなタイプは、ミステリアスな女性に思えます。
秋元康さんの好きなタイプは、ミステリアスか
『男の気持ちがわからない君へ』で、秋元康さんは、魅力的な女性とそうでない女性の違いを述べています。
『無言の宇宙(櫻坂46)』の「君」は、ひとことで語ることができない人物ですね。歌詞に、表情の中の宇宙には意味を持って輝く星がある、という表現が確認できます。
一言で言い表せない女性は魅力的で、言葉数が少なくても恋愛対象になりうるのです。ただ、なぜ、彼女は無言なのでしょうか。
なぜ、「君」は無言なのか
『無言の宇宙(櫻坂46)』は主人公・僕の視点なので、「君」の本心は分かりません。表情も描かれていません。無表情だと思います。
ここで、女性にまつわる無表情の歌を想起しました。乃木坂46の(からあげ姉妹)『無表情』があります。主人公は女性で、告白されたという設定です。
『無表情』の、以下の歌詞から、女性が告白されたものの無表情を貫く心境が、分かります。
告白されて無表情を貫いているのは、女ともだちの冷やかしが不愉快なのです。
そんな強がりをわかってくれるその日、という表現から、告白をしてくれた男性に、冷やかしが嫌いだと理解してもらいたいということですね。決して、その男性を嫌いなわけではないのです。
『無言の宇宙(櫻坂46)』の主人公「僕」が無言の空間に壮大な空想を描いているのに、対して、乃木坂46の女性は、現実的だなと思いました。ロマンチストの男性と現実的な女性という構図を思い浮かべます。
最後に/男はロマンチストで女は現実的
秋元康さんは、自身の著書『男の気持ちがわからない君へ』で、一言で説明できる女性は魅力的ではないといいました。魅了されるのは、『無言の宇宙(櫻坂46)』の「君」のように、さまざまな一面を想像させる女性です。
だから、秋元康さんが自身を投影させたのが『無言の宇宙(櫻坂46)』の主人公と考えれば、彼の好きなタイプが分かりました。一言で説明できない女性に惹かれるのです。