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『人生はシネマティック!(2016)』のあらすじと感想【アンブローズの名言】

人生はシネマティック!
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人生はシネマティック! あらすじ


『人生はシネマティック!(2016)』を観ました。

 あらすじと感想を書いたので、参考にしていただけると幸いです。

コピーライターのカトリンに、プロバガンダ映画の脚本依頼


 1940年、英国・ロンドン。

 カトリン(ジェマ・アタートン)が、バスの中央座席に腰かけている。満席状態だ。

 バスが止まった。

 カトリンが、フロントガラス越しに前方を見やる。

 警官の背後で、砲弾を受けたのか、車が炎上している。消防隊が、消火活動。

「ブルームズベリーに行く人はここから歩いて」
 
 バスの後部ドアから、男が顔を覗かせて声を張り上げた。

 カトリンは情報省映画局で、男性2人に出迎えられた。

 1人は、髭を蓄えた男・スウェイン(リチャード・E・グラント)。

 もう1人の眼鏡の男は、特別顧問のバックリー(サム・クラフリン)。

 バックリーは、カトリンが書いたポテトの包み紙を手に取った。

 コピー文<牛肉そっくり、悪くないわ。そこにある物で工夫しなきゃ>を褒めた。

「いいね」

 スウェインもカトリンのコピーを絶賛する。

 彼は、太った警官が梯子を落ちるだけのコメディー映画に不満を持っていた。

 そして、国が元気になるための戦意高揚映画と女性の視点を求めている。

 スウェインは、カトリンに、週給2ポンドで脚本を書いて貰いたいと言った。

 カトリンは、コピーライター部のライターだ。彼女以外の、ライター全員が徴兵されている。

 秘書の仕事だと考えていて、戸惑ったが承諾した。

 脚本は、短編と本編の間に挟む広告映画である。

 帰宅したカトリンは、脚本の仕事が決まったと内縁の夫・エリス(ジャック・ヒューストン)に報告。

「凄いな、カトリン」
 
 エリスが笑みを浮かべて言った。

 彼は、スペイン戦争で負傷し徴兵に不適合だった。空襲監視員を務めながら、絵を描いている。

海の天使たちを題材にしたいバックリー

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 カトリンは、バックリーから食事に誘われた。喫茶店で、バックリーは、くり抜いた新聞記事を差し出す。見出しに、海の天使たち、とあった。

 ダンケルクでドイツ軍に包囲された部隊を、漁船700隻と英国海軍が救出した出来事だ。双子の姉妹が、父親の船で兵士を助けている。

 バックリーは、その出来事を脚本にしたいと笑う。

 カトリンは、双子の取材を任された。

双子の取材

 
 カトリンは、海に近い家を訪ねた。門が開き、おずおずと女性が顔を覗かせる。

「ローズとリリーに会いにきました」

「新聞社には話せない」

 女性が顔を強張らせた。だが、映画局というカトリンの言葉に、表情が和らぐ。

 門扉が大きく開いた。女性がもう1人現れる。門を開けた女性と瓜二つだった。

 リビングのテーブルで、双子と向かい合うカトリン。

 双子は、兵士を助けていなかった。8キロ手前で船がエンストを起こしてしまい、戦地にすら辿り着いていないという。

 索引された船から、あぶれ出た兵士を父親の船に乗せただけであった。それを目撃した人が記事にしたのだ。

 双子は父親から、笑いものになるからという理由で口止めをされた。

 カトリンは「映画は、無理ね」と呟いた。

 空襲に遭いながらも、帰宅。

 エリスが、君と暮らす金がない、ウェールズへ帰ってくれと言った。

 だが、カトリンは、自分が稼ぐわと説得する。

 情報省映画局の会議で、カトリンは、双子が兵士をナンシー号で助けたと発言した。

 スウェインは、脚本化のOKを出した。

 カトリンは、仕事場を与えられた。バックリーと同室である。

 彼は、カトリンに「偵察が役目だ。何も言うな」と言い放った。

 双子の取材レポートを渡した。バックリーは、父親のイメージが悪いと嘆く。

 カトリンは、双子の性格は内気で大人しいと言った。

 しかし、バックリーは聞き入れず、犬を助けたと脚色し、主人公を男性にした。カトリンは事実と違うと顔をしかめる。

 だが、バックリーは「これが映画だ、退屈な部分を削る」と言い切った。

 脚本に、戦時運輸省からクレームが入る。

 ナンシー号の故障が英国のエンジン技術に不信感を与えるという苦情であった。

 バックリーが戦時運輸省から戻ると、船の操縦が双子に変更される。

 後日、仕事場に、スウェインが姿を見せた。

「映画局の誰かが、ある人物に聞いたそうだ。双子はダンケルクへ辿り着かなかった。演じんが壊れていて、英国海域さえ出ていない。まことに残念だ」

 バックリーが、何か問題が? と口を挟んだ。彼は、双子が父親の船で、80キロ先のダンケルクに向かったことが真実だと言った。

「実話に基づくのに?」

 スウェインが険しい顔つきで言った。

「そう言わなきゃいい。プロパガンダでしょう? 770隻がダンケルクで、33万8000人を救出した。史上最大の撤退作戦か、国民の熱意を取り戻す奇跡か」

 バックリーは語気を強めた。

 スウェインは、製作を続けろと言って立ち去った。

バックリー、双子が兵士を助けていなかった事実を知り激高


 カトリンは、喫茶店でバックリーと向かい合った。バックリーが、作り話はいいが我々を騙すなと憤る。

 カトリンは、お金のためと伏し目がちに言った。そして、解雇の不安を口にする。

 バックリーは、誰がスロップを書く? と落ち着いた口調で言った。

エリスが、個展のためにロンドンを離れる


 帰宅すると帰宅すると、エリスが、仕事が入ったと笑いかける。地方で戦況を記録するという。さらに、ロンドンでの個展・ナショナルギャラリーも決まっている。

 彼は、脚本の仕事を辞めて一緒に来てくれと言った。

 カトリンは、脚本が完成したらと返した。エリスは、寂し気な顔つきになる。

アメリカの戦意高揚のため、アメリカ人を配役に

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 カトリンとバックリーは、スウェインから、陸軍省へ呼び出された。

 会議室は、長方形の明かり窓が壁の上部にあるだけで薄暗い。

 2人は、長テーブルに座った。スウェインが立ち上がって、アメリカ人を映画に出演させたいと言った。

 バックリーの目が泳ぐ。

 スウェインは演説するかのように語り始める。

「アメリカの映画を鑑賞する人数は、9000万人。イギリスの3倍だった。チャーチル首相が、カトリンたちの作品を褒めた」

 スウェインが、カトリンの元に歩み寄って言った。

「イギリスの状況をアメリカに伝える好機だ。カトリンが描くヒーローは、一般労働者。アメリカの女性に、男性は戦争に行くべきだと意欲を駆り立てることが可能だ」

「アメリカ人を配役に?」

 バックリーが目を剥いた。

 スウェインは、カール・ランドベック(ジェイク・レイシー)を紹介する。

 カールは英国空軍の軍人だ。ドイツの戦闘機を24機、撃ち落としている。

 カトリンとバックリーは、カールにどんな役を与えるか意見を交わした。

 丈夫で口が上手いヤンキーで、船も操縦するヒーローに決まった。

 カールを交えて、「ダンケルク」の撮影が始まった。

 しかし、彼は、23回のNGを出して、フィルムが不足してしまう。

 スクリーンテストをしないのか? 

 スタッフが愚痴をこぼす。

カール・ランドベックの演技で撮影中断


撮影は中断した。

「映画は最高だった。ヤンキーめ」

 バックリーが口惜しそうに呟いた。

「見た目は、いいのにね」

 カトリンも、ため息交じりに言った。バックリーは満足げに笑って、その場を離れる。

 ヤンキーの演技を、どうカバーするか。カトリンとバックリー、スタッフたちは頭を悩ませる。

「演じ方は知っている。だが、指導はできない」

 出演者のアンブローズ(ビル・ナイ)が口を開いた。

「あなたの役柄のために、時間と才能を使います。カールに時間と才能を使って頂けますか?」

 カトリンがアンブローズに頭を下げる。アンブローズは、了承した。

 カトリンは、夫・エリスの個展が始まってしまった……と落ち込む。

 バックリーが、個展が終わる二週間以内に帰すと約束した。

 カトリンとバックリーは、一心不乱にタイプライターを叩いた。

エリンの裏切り

 
 映画の撮影が、最終日を迎えた。太陽が、真上から、海岸のカメラマンや俳優たちを照らしつける。

 カトリンは名残り惜しそうに、彼らを眺めた。そして、車に乗り込む。

 帰宅した彼女は、エリスの浮気現場を目撃した。顔を硬直したまま部屋を出る。

 エリスが、足を引きずりながら追ってきた。

「カトリン! 僕を走らせるな」

「あなたの好みよね。自分を崇拝する若い娘。昔の私みたいな」

「君は、僕よりも仕事を選んだ。最初に君の描き方を間違えた」

「間違いは、私を小さく描いたことよ」

 カトリンは、ぎこちなく笑みを浮かべて歩き出した。

 彼女は、指輪を駅構内のゴミ箱に投げ入れて、撮影現場に戻る。

カトリン、バックリーから求婚される

 
 撮影は終わっていて、スタッフや俳優たちは酒場に集っていた。個展は大成功よと、バックリーに嘘をついた。

 バックリーは、なぜ、すぐに戻った? と怪訝な顔になる。

 外へ飛び出した。満月が浮かんでいる。

 カトリンは、海岸の岩礁に腰かけた。バックリーが隣に座る。

 彼は、撮影が終わったら、コピーライターに戻るのか聞いた。

 カトリンは、さあねと肩をすくめる。

 バックリーは、次回作テーマに空襲監視員を選んだと言った。そして、唐突に、求婚する。

 彼は、情報省の職員から、カトリンが籍を入れていないことを聞いていた。エリスを間抜けな奴だ、男を選べと罵倒する。

 カトリンは、あなたも酔って威張る男だわと言い放ち、酒場に戻った。

 バックリーは、うな垂れた。

アメリカから、「ダンケルク」の結末にクレーム


「ダンケルク」の試写会が行われた。

上映が終わり、カーテンが開かれた。窓から光が差し込む。

スウェインは、素晴らしいぞと笑みを浮かべた。だが、心配ごとがあると声を落とす。

アメリカの配給会社から手紙が届いたという。スウェインは読み上げた。

<アメリカの観客は、刺激的なシーンを好む。あなた方の「控え目」は、パンチ不足>

アメリカ人にとって、「ダンケルク」の結末は退屈だと続けた。

「退屈だと?」

 バックリーが不満を口にする。

「アメリカ人は、愛の三角関係を求めている」

 スウェインは、彼と目を合わせずに言った。

 バックリーは試写室を出て、結末の脚本を練り直す。

 果たして、「ダンケルク」の映画は完成するのか?

 結末が気になった方は、本編でどうぞ。

人生はシネマティック! 感想/アンブローズがカトリンに言った台詞が良かった


 カトリンは、脚本を書けなくなりました。そんな彼女に、アンブローズが、かけた言葉が良かったです。

 なぜ、カトリンが書けなくなったかは、ネタバレになるので伏せます。

 終盤で、彼女は、精神的なショックを受けました。

 印象的だったアンブローズの言葉は、以下の台詞です。

「チャンスに背を向けるのは、死に生を支配させているのと同じだ。大きな喪失感にとらわれていようと……」

 行動を起こさないことの戒めだと感じました。

 少なくとも、現代の日本は、砲弾が飛来してくるような切迫感はありません。

 さらに、ネットビジネスやWebライターなど、学歴や職歴にコンプレックスを感じても挑戦できる環境です。

 そんな中、SNSを眺めていると、数か月で辞めてしまう人がいて残念な気持ちになります。

 アンブローズの言葉を借りれば、チャンスに背を向けていることになって、人生が支配されていますね。

 そういったことを思ったので、アンブローズの言葉が響きました。

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